妊娠中の運動

   妊娠してから出産後までの運動についての基本についてお話したいと思います。 まず運動に
ついては妊娠前にやっていたスポーツについては、極端に危険度が高いもの(ハングライダー、ス
キューバダイビング、スカイダイビングなど)でなければ、継続が可能という概念が一般的です。
つわりの有無、そのときの体調などに左右はされるでしょうが、妊娠がわかったから今まで定期的
にやっていたスポーツはやめないと、というのはナンセンスです。もちろん医学的事情で医師に運
動を禁止、制限された場合はその指示に従いましょう。一般的に妊娠中の運動はむしろ奨励され
ています。過度な体重増加や血圧上昇の防止、妊娠中のストレス解消、体力の維持など快適な
妊婦生活に役立ちます。

    では妊娠前に運動などなにもしていなかった場合はどうでしょう。水泳やウォーキング、ステー
ショナリーバイク、ローインパクトのエアロビクス、パーソナルトレーナーについてのウエイトトレー
ニングなどは妊娠がわかってからでもできる運動の例です。サンディエゴではマタニティスイミン
グやマタニティビクスなど、特定されたクラスを探すのは意外と困難です。これはたぶん通常のク
ラスに規制もなく普通に妊婦が参加できる環境があるからかもしれません。病院などで主催する
妊婦のクラスにはときどきエクササイズアクティビティがあることがあります。このようなクラスに参
加してネットワークを広げるのもいいですね。一番手軽に始められるのは家の回りや近所の公園
などで毎日20-30分歩くことでしょうか。慣れてきたら階段の上り下りや坂道をコースにいれてい
くことをお勧めします。自分に甘過ぎ、言い訳しながらでは運動効果もありませんが、無理、やりす
ぎは禁物です。めまいや胃痛、息切れ、出血などがあったときはストップのサインです。自分の体
とコミュニケーションしながら運動を楽しみましょう!

    妊娠後期になるとおなかも顕著に大きくなり、むくみ、腰の痛み、だるさなどでてくるかたも多
いことでしょう。それでも特に医学的に問題が指摘されない限り運動は続けられるはずです。ただ
なにか症状がある場合は、運動量を少し減らしたり、負荷を軽くしたりして対処しましょう。マッ
サージ、セルフマッサージなどもうまく利用するとコンディションを整えるのに効果があります。
    妊娠中後期にはいったら忘れずに足して欲しいのが、ケーゲル(Kegel)体操といわれる尿道
回りをしっかり鍛える運動です。排尿を止めるように骨盤床の筋肉を緊張させる運動なのですが、
仰向けに寝た状態から練習して、緊張させることに慣れてきたら座っていても、立っていてもでき
るようになります。特に時間を決めなくてもいいので1日10回程度で3~5セットを適当な時間に
分けてやってみるといいでしょう。この運動は妊婦に限らず産後の運動としてもできますし、現在
尿漏れの症状あるなしにかかわらず、すべての成人女性に効果があります。

    出産後はいつから運動を始められるのかとよく聞かれますが、基本的にストレッチ、ケーゲル
体操などの軽い運動(体操)は退院後すぐ始められます。帝王切開後であれば、2週間くらいは安
静が必要かもしれません。本格的に運動を開始できるのは完全に悪露が終わって、気分が乗っ
てきてからがいいでしょう。数週間から数ヶ月のブランク後になるので、緩やかに開始してくださ
い。あまり運動再開を待ちすぎると体力低下も著しくなります。いずれにしても個人差があります
し、自分の体調次第ですが、判断に迷ったら専門家に意見をきくといいでしょう。

    最後に妊娠中の体重増加についても触れておきます。よく日本では体重の増えすぎを医師や
看護士に厳しく注意されるなどとききますが、アメリカでは体重が増えないことで注意を受けても
増えすぎで注意を受けるのは稀なようです。アメリカでの一般的なガイドラインは妊娠初期(13週
くらいまで)に2~4ポンド(1~2kg)程度の増加、その後は40週まで1週間に1ポンド(0.45kg)
くらいの増加で最終的に25~35ポンド(11~16kg)増が理想的とされています。これは妊娠前
に体重がほぼ平均(BMI19-26)の場合で、肥満の場合は15~25ポンド、やせすぎの場合は
25~40ポンド、双子妊娠の場合は40~50ポンド程度とされています。
    日本のガイドラインは最高で10kg増とされていて、最近では7kgくらいまでが理想的というよ
うな話もききます。日米の違いは出産実情、たとえば無痛分娩が一般的で、未熟児出生や10代
妊婦が多く、平均的に女性の体の大きいアメリカに対し、比較的細身の人が多く、自然出産が一
般的である日本、という背景などからきているものと思われます。いずれにしても日本人がアメリ
カで妊娠出産する場合は、極端な体重増加には十分気をつけつつもあまり神経質に体重を気に
することは必要ないでしょう。

    妊娠計画中、妊娠中、産後のみなさんがより健康に運動を楽しめるよう願ってます!もし個人
的に詳細の質問などありましたら気軽にメールください。

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